こんにちは。

本日はさくらの三回忌となります。ちょうど脚本がありますのでね。
7月初旬にさくらプロへ脚本を送りました。早々に結果を知らせてくれましたが、落選です。またですので、さくらは楽しいことが好きなので、命日にちょうどいいのではと。
では掲載しますので、読んでくださればと思います。本日はのりきゃくがお送りしました。

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…ピーヒャラピーヒャラ…♪

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ミツウロコ、ちびまる子ちゃんランドとなんだっけ~ エスエスケー、いなば食品、ハチ食品も…


ぱんださんの絵
https://www.pixiv.net/artworks/83696497


https://www.pixiv.net/artworks/83288771

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「まる子荷物を持つ」

 

 

 土曜の夕方。まるこは一人テレビを観てゲラゲラと笑っている。そこへ電話が掛かってきた。

 辺りを見渡す。

 

(まる子)だれもいないのかな。なによ、面白いときに……。

 

 ぶつぶついいながらも電話に出た。

 

(まる子)もしもしさくらです……。なんだ、お母さん。

 

(母)……スーパーにいるけど、荷物が多くなったので取りに来てくれない?

 

(まる子)えー、ちょうどいい時なのに。

 

(母)あんたしかいないでしょ。

 

(まる子)うーん、そうみたい。

 

(母)それなら頼むよ。

 

 電話を切ると仕方なく向かうことに。

 

(まる子)なんでおじいちゃんも、お姉ちゃんもいないのさ。

 

 小言をいいながら玄関のカギを掛けた。

 

 向かっていると、友蔵とおたけが前から来る。

 

(まる子)おじーちゃーん、おばーちゃん!

 

 まる子は手を振った。

 

(友蔵)よー、まる子や。老人会でお餅をもらったんじゃ。

 

 友蔵は両手にお餅の入った袋を持ち上げた。

 

(まる子)なーんだ。おじいちゃんも荷物があったの。

 

 がっかりするまる子。

 

(友蔵)どうしたんじゃ。

 

(まる子)お母さんがスーパーで荷物が多いからっていわれ、それで向かっ

てたの。

 

(友蔵)そうじゃったか、これじゃ、向かえなくて悪いのう。

 

(まる子)いいよ、それじぁね。

 

まる子はテンション低めに手を振って別れる。

スーパーへ到着すると母は外で待っていた。

 四袋もあるのを見たまる子はギョッとする。

 

(母)ありがとね。特売もあったもんで袋へ入れると、こんなに増えていたの。

 

(まる子)わたしは何個持つの。

 

(母)二つ持ってくれれば。

 

 何をこんなに買ったのかとまる子はのぞいた。塩、砂糖、キャベツと重いものが目立った。肉と野菜もあった。

 

(まる子)わたしはどれ。

 

 なるべく軽いのを持とうとする。でも母はすでに二袋持っている。それにもう二袋を持つことになる。

 

(母)どれでもいいわ、こんなにあるので。

 

(まる子)じゃ重いの持つよ。

 

 少し母の大変さをわかり、塩と砂糖入り、それにキャベツ入りを持った。

 

(母)ムリしなくていいから、途中で変わってもいいよ。

 

 母は四つも持つことで、まる子にやる気が出たわけではない。

 

(まる子)がんばるから。

 

 母はまる子へ珍しいと笑みを向けた。

 歩きながら母は昔の身の上話をする。

 

(母)……わたしもね、小さいころはよく母に荷物持たされたのよ。小さな八百屋行ったり、魚屋さん行ったりね。便利なスーパーなんてないし。

 

(まる子)スーパーってなかったんだー。

 

(母)そうよ、今はとても便利なの。昔の時代に今のまる子だったら毎日働かされてたわ。テレビなんて公民館まで見に行ったりしたし、一家に一台なんて夢だったわ。

 

(まる子)ゲッ!

 

 当たり前に観ていたテレビ。笑っていたさっきの姿を想像する。

 

(母)掃除や洗濯も手伝わされて、なかなか遊べなくてね。

 

(まる子)洗濯機はあったの?

 

(母)そんな便利なのはないわよ、手洗いなの冬でも。

 

 まる子は腕が疲れてきたが、寒い中大きな桶で洗う、子どもの母の姿を浮かべると、よりがんばろうとする。

 母はまる子を察した。

 

(母)いいわよ、軽いのにしなさい。

 

母は軽そうな袋と変えようとする。

 

(まる子)大丈夫。がんばる。

 

しばらく歩くと、やはり腕が疲れてくる。

 そんな時、手を振ったおじいちゃんが前からやって来た。

 

(まる子)あっ、おじいちゃーん!

 

 友藏は息を切らしていた。

 

(友藏)すみれさんとまる子が大変じゃと思ってなぁ、ハァハァハァ……。

 

(母)お父さん、そこまでしてくれなくてもいいんです。

 

母は、背中をさすり息切れの友藏を気遣った。

 

(まる子)さすがおじいちゃんだね、まる子のことを気にしてくれるもんね。

 

(友藏)そうじゃ、わしのかわいい孫じゃからのう。

 

まる子は、塩と砂糖の入った袋を友藏へ渡そうとする。

 

(母)あんた頑張るんじゃなかったの? 軽そうなのにしなさい。お父さんは寄り合いで疲れてるんだから。

 

(友藏)いいんじゃ、いいんじゃ。まる子が疲れるから。

 

 といい、友藏は受けとった。

 

(母)すいません、わがままな子で。

 

(まる子)わがままじゃないもん、まる子の腕を心配したんだもん。

 

 まる子は一袋になったので、母の袋を一つ受け取った。

 

(母)あんた、きょうは積極的だね。

 

(まる子)だっておじいちゃんお餅を持ってたのに、ここまで来てくれたんだよ。

 

 まる子は友藏へ笑みを向ける。

 前方に三袋を持つお年寄りが、くたびれたように歩いている。

 後ろ姿を友藏が察知した。

 

(友藏)あれ、あれは辰五郎さんではないかな。

 

(母)そうですね、浜崎さんのおじいさんですね。

 

(友藏)そうか、寄り合いでの片づけ係じゃったの。おーい、浜崎さーん!

 

 辰五郎は振り向いた。顔から汗が次々と流れている。

 

(辰五郎)おお、ともぞ~うさん。

 

 まる子たちは彼へ寄れば、三袋にお餅がたくさん入っていた。

 こんなに欲張ったのかと、三人とも驚いた。

 

(友藏)浜崎さん、こんなにもらったのですか?

 

(辰五郎)いえ~、ハァハァ……。余ってしまって、みんなたくさんもらったようで、仕方なくわたしが持ち帰ることになりました。

 

(友藏)そうじゃったのー、役員さんは大変じゃったねぇ。

 

 そして友藏が重そうな一袋を持つことに。

 

(辰五郎)おー、これはありがとう~。

 

 辰五郎は笑顔を振りまいた。

 

(まる子)おじさん、はまじを呼べばよかったのに。

 

(辰五郎)電話しても~、だれも出なかった~。

 

 まる子は、はまじのことを想像。帰るとすぐ遊びに行くとわかった。

 

(母)まる子、お父さんに渡した砂糖の袋を持ちなさい。

 

 両手に重いのを持っている友藏を気遣う。

 

(友藏)いいんじゃ、いいんじゃ。

 

(まる子)おじいちゃん大丈夫?

 

(友藏)なんのこれしき。

 

 といい、バーベルのように両手を上げた。が、顔が赤くなった。

 それにはみんな驚く。

 

(母)お父さん、ムリをしないでください。

 

 これではまずいと、砂糖の袋を母が取り上げた。

 

(友藏)すみれさん大丈夫じゃよ。

 

(母)ダメですって、お体を大切にしてください。

 

(友藏)すまんのう。

 

 そうなるとまる子が砂糖を持つはめに。

せっかく軽くなったのにと、辰五郎を罵った。(はまじのじいちゃんめ)と。

 辰五郎と友藏、まる子と母と並んで帰っていく。

家に近づくと結構な重さでまる子もしんどくなった。

 

(まる子)ハァ、ハァ、ハァ……。

 

 後方から声が掛かった。

 

(はまじ)あれ、さくらじゃないか。えっ、じいちゃんもいた。

 

 まる子たちは一斉に振り向いた。

 

(辰五郎)おお、の~り~た~か~。

 

 と、辰五郎は万面の笑みを浮かべた。そしてまる子や母、友藏も笑顔が湧き出している。

 


(キートン)グローブを持ったはまじは、この後、どんな運命かをみんなは知っていた。

 


 

 

                        おわり




(のり)なんとなくもう勝手に送ってこないで、という雰囲気でした。























 

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