本日はさくらの三回忌となります。ちょうど脚本がありますのでね。
ぱんださんの絵
https://www.pixiv.net/artworks/83696497
https://www.pixiv.net/artworks/83288771
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「まる子荷物を持つ」
土曜の夕方。まるこは一人テレビを観てゲラゲラと笑っている。そこへ電話が掛かってきた。
辺りを見渡す。
(まる子)だれもいないのかな。なによ、面白いときに……。
ぶつぶついいながらも電話に出た。
(まる子)もしもしさくらです……。なんだ、お母さん。
(母)……スーパーにいるけど、荷物が多くなったので取りに来てくれない?
(まる子)えー、ちょうどいい時なのに。
(母)あんたしかいないでしょ。
(まる子)うーん、そうみたい。
(母)それなら頼むよ。
電話を切ると仕方なく向かうことに。
(まる子)なんでおじいちゃんも、お姉ちゃんもいないのさ。
小言をいいながら玄関のカギを掛けた。
向かっていると、友蔵とおたけが前から来る。
(まる子)おじーちゃーん、おばーちゃん!
まる子は手を振った。
(友蔵)よー、まる子や。老人会でお餅をもらったんじゃ。
友蔵は両手にお餅の入った袋を持ち上げた。
(まる子)なーんだ。おじいちゃんも荷物があったの。
がっかりするまる子。
(友蔵)どうしたんじゃ。
(まる子)お母さんがスーパーで荷物が多いからっていわれ、それで向かっ
てたの。
(友蔵)そうじゃったか、これじゃ、向かえなくて悪いのう。
(まる子)いいよ、それじぁね。
まる子はテンション低めに手を振って別れる。
スーパーへ到着すると母は外で待っていた。
四袋もあるのを見たまる子はギョッとする。
(母)ありがとね。特売もあったもんで袋へ入れると、こんなに増えていたの。
(まる子)わたしは何個持つの。
(母)二つ持ってくれれば。
何をこんなに買ったのかとまる子はのぞいた。塩、砂糖、キャベツと重いものが目立った。肉と野菜もあった。
(まる子)わたしはどれ。
なるべく軽いのを持とうとする。でも母はすでに二袋持っている。それにもう二袋を持つことになる。
(母)どれでもいいわ、こんなにあるので。
(まる子)じゃ重いの持つよ。
少し母の大変さをわかり、塩と砂糖入り、それにキャベツ入りを持った。
(母)ムリしなくていいから、途中で変わってもいいよ。
母は四つも持つことで、まる子にやる気が出たわけではない。
(まる子)がんばるから。
母はまる子へ珍しいと笑みを向けた。
歩きながら母は昔の身の上話をする。
(母)……わたしもね、小さいころはよく母に荷物持たされたのよ。小さな八百屋行ったり、魚屋さん行ったりね。便利なスーパーなんてないし。
(まる子)スーパーってなかったんだー。
(母)そうよ、今はとても便利なの。昔の時代に今のまる子だったら毎日働かされてたわ。テレビなんて公民館まで見に行ったりしたし、一家に一台なんて夢だったわ。
(まる子)ゲッ!
当たり前に観ていたテレビ。笑っていたさっきの姿を想像する。
(母)掃除や洗濯も手伝わされて、なかなか遊べなくてね。
(まる子)洗濯機はあったの?
(母)そんな便利なのはないわよ、手洗いなの冬でも。
まる子は腕が疲れてきたが、寒い中大きな桶で洗う、子どもの母の姿を浮かべると、よりがんばろうとする。
母はまる子を察した。
(母)いいわよ、軽いのにしなさい。
母は軽そうな袋と変えようとする。
(まる子)大丈夫。がんばる。
しばらく歩くと、やはり腕が疲れてくる。
そんな時、手を振ったおじいちゃんが前からやって来た。
(まる子)あっ、おじいちゃーん!
友藏は息を切らしていた。
(友藏)すみれさんとまる子が大変じゃと思ってなぁ、ハァハァハァ……。
(母)お父さん、そこまでしてくれなくてもいいんです。
母は、背中をさすり息切れの友藏を気遣った。
(まる子)さすがおじいちゃんだね、まる子のことを気にしてくれるもんね。
(友藏)そうじゃ、わしのかわいい孫じゃからのう。
まる子は、塩と砂糖の入った袋を友藏へ渡そうとする。
(母)あんた頑張るんじゃなかったの? 軽そうなのにしなさい。お父さんは寄り合いで疲れてるんだから。
(友藏)いいんじゃ、いいんじゃ。まる子が疲れるから。
といい、友藏は受けとった。
(母)すいません、わがままな子で。
(まる子)わがままじゃないもん、まる子の腕を心配したんだもん。
まる子は一袋になったので、母の袋を一つ受け取った。
(母)あんた、きょうは積極的だね。
(まる子)だっておじいちゃんお餅を持ってたのに、ここまで来てくれたんだよ。
まる子は友藏へ笑みを向ける。
前方に三袋を持つお年寄りが、くたびれたように歩いている。
後ろ姿を友藏が察知した。
(友藏)あれ、あれは辰五郎さんではないかな。
(母)そうですね、浜崎さんのおじいさんですね。
(友藏)そうか、寄り合いでの片づけ係じゃったの。おーい、浜崎さーん!
辰五郎は振り向いた。顔から汗が次々と流れている。
(辰五郎)おお、ともぞ~うさん。
まる子たちは彼へ寄れば、三袋にお餅がたくさん入っていた。
こんなに欲張ったのかと、三人とも驚いた。
(友藏)浜崎さん、こんなにもらったのですか?
(辰五郎)いえ~、ハァハァ……。余ってしまって、みんなたくさんもらったようで、仕方なくわたしが持ち帰ることになりました。
(友藏)そうじゃったのー、役員さんは大変じゃったねぇ。
そして友藏が重そうな一袋を持つことに。
(辰五郎)おー、これはありがとう~。
辰五郎は笑顔を振りまいた。
(まる子)おじさん、はまじを呼べばよかったのに。
(辰五郎)電話しても~、だれも出なかった~。
まる子は、はまじのことを想像。帰るとすぐ遊びに行くとわかった。
(母)まる子、お父さんに渡した砂糖の袋を持ちなさい。
両手に重いのを持っている友藏を気遣う。
(友藏)いいんじゃ、いいんじゃ。
(まる子)おじいちゃん大丈夫?
(友藏)なんのこれしき。
といい、バーベルのように両手を上げた。が、顔が赤くなった。
それにはみんな驚く。
(母)お父さん、ムリをしないでください。
これではまずいと、砂糖の袋を母が取り上げた。
(友藏)すみれさん大丈夫じゃよ。
(母)ダメですって、お体を大切にしてください。
(友藏)すまんのう。
そうなるとまる子が砂糖を持つはめに。
せっかく軽くなったのにと、辰五郎を罵った。(はまじのじいちゃんめ)と。
辰五郎と友藏、まる子と母と並んで帰っていく。
家に近づくと結構な重さでまる子もしんどくなった。
(まる子)ハァ、ハァ、ハァ……。
後方から声が掛かった。
(はまじ)あれ、さくらじゃないか。えっ、じいちゃんもいた。
まる子たちは一斉に振り向いた。
(辰五郎)おお、の~り~た~か~。
と、辰五郎は万面の笑みを浮かべた。そしてまる子や母、友藏も笑顔が湧き出している。
(キートン)グローブを持ったはまじは、この後、どんな運命かをみんなは知っていた。
おわり
(のり)なんとなくもう勝手に送ってこないで、という雰囲気でした。
コメント
コメント一覧 (4)
あらいさん
暑さ半端ないですよね。
発表の温度より、もっとあるんじゃないかと思います。袋井もそうですね。
脚本はなんとなくダメな気がします。募集してないのに応募のことも書いてあったのでね。
それにずいぶんとお知らせが早くて。脚本家はたくさんいるので、そっちではないかと、ネガティブにそう思ってしまいます。
読んでくれてありがとうございました。
またのコメントをお待ちしています。
昨日はさくらさんの命日でしたね。もう2年前ですか。時が経つのは早いものですよ...。
脚本ですが良く出来ていますので、めげずに応募してみてください。のりたかさんの脚本をぜひアニメで観たいですよ。今度は当選されることを祈ってます。
それではまたコメントしますね♪
ぱんださん
早々にコメントをありがとうございます。
脳内で再生されましたならよかったです。
読んで想像できたならと、毎度思っています。
いつも落選なので、通らないのが当たり前だのクラッカーと思ってもいます。
読んでくれてありがとうございます。
それとぱんださん絵、さすがです。人物像が二
、三人ではなく、たくさんのまる子キャラを描いてくれてなかなか出来ないと思われます。ありがとうございます。
こちらは、みなさんご覧ください。
本当は、今回の脚本に前回描いてくれたぱんださんの、はまじと辰五郎絵を添付したかったけど、やり方がわかりませんでした。
また、ぱんださん絵を描いてください。なんだかんだと頑張ってねぇ~
しっかり脳内で再生されていますよ。
TARAKOさんやカシワクラさんの声で😁
アニメで見たかったなぁ~
本当、キャラクターのそれぞれの個性が出ていましたよ😄
私もさくらさんの命日なのでちびまる子ちゃんキャラクター勢揃いを描きましたよ。描けてなかった人もいますけど💦https://www.pixiv.net/artworks/83696497
のりたかさんの描かれたイラストも気に入っています☺️