こんにちは。
夏の図書館は快適ですけど、席がない日もあります。それでも子ども用の椅子に座れればいいので執筆はできます。今回の話しはワープロと出るので三十後半ばと思われます。十五年もたっけど、図書館の人間模様は変わりません。ただ中年より六十近い人、それ以上の男性の方が多く見られます。年金支給も格安なので図書館で過ごしていると思います。売店があればもっといいのでしょうけど、本が汚れますね。ではどんなんかな~

つづく
(野口)図書館ではまじと会ったことあるよ…
(はまじ)そうだった、仕事サボっただってな。
(野口)そうだけど、たまになにもかも嫌になるんだ…
(はまじ)そんな時はスマップか?
(野口)そうだけど、家には母さんがいるから図書館がいいの…
(はまじ)よくロビーの椅子でボーっとしてるもんな。
(野口)よく見てるけど、わたしは好きでもないからね…
(はまじ)フェフェフェフェ…
夏の図書館は快適ですけど、席がない日もあります。それでも子ども用の椅子に座れればいいので執筆はできます。今回の話しはワープロと出るので三十後半ばと思われます。十五年もたっけど、図書館の人間模様は変わりません。ただ中年より六十近い人、それ以上の男性の方が多く見られます。年金支給も格安なので図書館で過ごしていると思います。売店があればもっといいのでしょうけど、本が汚れますね。ではどんなんかな~

☆
僕は二十六歳頃から図書館によく行く。初めは目的があって向かったが、最近では暇な時が多くつい行きたくなる。図書館は活字であるが、いろんな情報の宝庫とわかったのも理由の一つだ。もともと読書は好きではない。どちらかと言うとじっとしてるのが苦手で、たまにマンガを読む程度だった。でも今では図書館にハマっている。
就職したが辞めて無職になったり、アルバイトしてまた無職になるのも通う原因だった。
今、ワープロを打っているのは県立図書館である。ちなみに月曜日は県立図書館で火曜日から市立図書館へ向かう。近隣の市立図書館は月曜日が休館日だった。
図書館にいると毎日同じ人達も来る。定年者を除き、僕と同じ境遇もいるだろう。
でも一カ月も同じ顔を合わせてると、一体あの人たちはどうして暮らしているのかと疑問になる。
その後、僕がアルバイトを始め図書館に行くのが週二日位になった。だが、奴らはいる。だいたい決まったメンバーだ。奴らからすれば僕もその一人だが。そのメンバーは別につるんではなく、一人ひとりだ。
毎日同じ服装だったり、スーツ姿の奴もいる。スーツの奴は最近見かけ出すので、会社をリストラされたがカミさんに言えず、会社へ行った振りをして図書館へ来るのではないか。このようなことは近年ありがちだろうし。
そんな奴らは定年者より若く、人間的に一見違う雰囲気の者たちが多い。真面目に本を読んでる人はわかるが、明らかにいるだけの者もいる。僕もそうだが、暇で行く場所がないからだろうか。その奴らはせっかく情報の宝庫に来たのだから本を読めばなと思う。
その本を読まない奴らで、とびきり変わった者がいる。
まず奴をAとする。Aを知ったのは十年ほど前で、最初に見たのはハローワークだった。
年令は四十代後半か五十代。髪形は禿げ頭で背は百七十位、体系は細い。服装は夏はポロシャツでスラックス、冬は地味なジャンバーにスラックス。細長い顔で鋭い目付きが特徴である。
Aは道端でも会ったことがあり、鋭い目でにらまれたことがある。
図書館にも現れるようになったときはがく然とした。Aはにらみ癖があるらしく、やはりそこでもにらまれた。どうも知っている顔を見ているだけと思うが、僕から見るとにらまれている感じだ。
就職すると図書館やハローワークへほぼ現れなくなる。すると自動的にAを見かけなくなる。二、三年後、無職になると図書館や職安に顔を出すので、また自動的にAを見かけるようになる。するとAは僕の顔を思い出したかのようににらんできた。透かさず僕もにらみ返したら、目を逸らした。Aはにらむが返されるのが苦手なのか。
最近アルバイトを辞めたため、頻繁に図書館でAを見るようになった。最近のAはなぜか変装をしている。服装は同じだが、帽子をかぶりサングラスを掛けマスクをしている。
それでも一発でAとわかった。久々に再会したときもやはりにらまれた。
サングラス奥の眼光が、僕の脳裏を刺激する。変装してもAと確実にわかった。
ところでAはなぜ変装をしているのだろう?
目付きが悪いせいか誰かに狙われているのか、それとも誰かを探しているのか謎である。
Aは毎朝市立図書館に来て隅から隅まで巡回する。警備員でもないのに変装スタイルで一、二階を巡回している。それも一人ひとり顔を見ながらなので僕と目も合うわけだ。
そこでAからにらみつけられる。『こいつは久々の例のあいつだ』となるのだろう。
一応Aには連れがいた。前に背の低い奴とよく一緒にいた。でも最近は一人でいる。
その者を探しているのかと思った。でもいつだったか背の低い奴が図書館に現れ、Aとひそひそ話しをしているのを見たことがあるので違った。一度Aと背の低い奴は何を話しているのか聞き耳を立てたが、お互いボソボソ話すのでわけがわからなかった。暗号だろうか。
Aは一体どこへ住みどのような暮らしをしているのか不思議でたまらない。あの目付きだとカミさんはいないだろう。人のことを言えないが生計をどうやっているのか。
自分のように親と同居か。裏で何かやっている奴なのか疑問だ。Aも僕のことを不思議に思うのだろうか。
図書館で定年者でもない毎日来る奴らは大概、自分をふくめ目付きが悪い感じがする。
なぜこんなになったかはわからないが、人生のどこかで社会人になじめない、なじみたくない理由があったのではないか。
Aも多分そうだ。Aよ変装してもバレバレだから別に変装しなくていいよ。
あやしくはないが、ある人も毎日図書館にいる。その人の年令は六十代中頃で小柄な人。
ジーンズにシャツでスニーカーの格好だ。年のわりには若いスタイルだった。髪形は白髪だがいつも帽子をかぶっている。
図書館を開館と同時に入り、二階の学習机を借りて昼をはさみ一日いる。なにか書き物や調べごとをしている。初め作家か大学教授かと思ったが、ワープロを打っていたり原稿を書いたりしているわけでもない。ノートに何かを書いている。じゃあ教授かなと考えたが毎日朝からいるので違う。作家の方が近いかもしれない。でも出版社と携帯でやりとりしている所を見たこともない。土、日曜も朝からいる。いったい何者なんだ?
このように図書館には謎めいた人達がたくさんいて疑問になる。僕はいつも答えを図書館に頼っていたが、図書館で発見したこの疑問はどこで調べるのだろう。答えはその人達とのコミュニケーションをとるしかなかった。
つづく
(野口)図書館ではまじと会ったことあるよ…
(はまじ)そうだった、仕事サボっただってな。
(野口)そうだけど、たまになにもかも嫌になるんだ…
(はまじ)そんな時はスマップか?
(野口)そうだけど、家には母さんがいるから図書館がいいの…
(はまじ)よくロビーの椅子でボーっとしてるもんな。
(野口)よく見てるけど、わたしは好きでもないからね…
(はまじ)フェフェフェフェ…
スポンサードリンク
コメント